住宅ローンを繰り上げ返済するときに確認すること
L:time代表の足野です。
以前、家を買うときに確認することについて書きました。家を買う前には、住宅購入資金を貯めること、毎月無理なく支払える金額を把握し買える物件の目安を明確にするこをお伝えしました。
※家を無理なく買える金額についてはこちら↓
住宅ローンの返済が始まると、次に考えるのが住宅ローンを繰り上げ返済するかどうかです。
今回は住宅ローンを繰り上げ返済するときに確認することをお伝えします。
繰り上げ返済とは
住宅ローンの繰り上げ返済とは、ある程度まとまった金額を繰り上げて返済に充てることを言います。
住宅ローンは借金ですので、利息がかかります。この利息は複利計算となっています。
複利計算とは元本+利息にさらに利息がかかることを言います。
仮に元本を減らすことができなければ雪だるま式に返済額が増えていきます。
逆に、元本を減らせることができれば無駄な利息を払う必要がなくなり返済額を少なくすることになります。
そこで、計画よりも早く元本を減らす方法が繰り上げ返済です。
繰り上げ返済の種類
繰り上げ返済の種類には、返済額軽減型と返済期間短縮型があります。
返済額軽減型とは、繰り上げ返済した後に毎月の返済額が少なくなる方法です。
返済期間短縮型とは、繰り上げ返済後の毎月の返済額は変わりはないですがローンの返済期間が短くなる方法です。
返済期間短縮型の方がローン支払い総額が少なくなると言われています。
利息軽減効果を大きくしたい場合には、返済期間短縮型を選択することをお勧めします。
しかし、毎月の支払い額を少なくした差額を資産運用に回したい場合などは返済額軽減型を選択すると良いと思います。
このように目的によって返済型を決めましょう。
住宅ローン控除と繰り上げ返済
繰り上げ返済するときには、住宅ローン控除についても考慮します。
住宅ローン控除とは、一定の要件を満たして10年以上の住宅ローンでマイホームを取得または増築して居住する場合に税額控除を受けられる制度です。
毎年末の住宅ローン残高の1%(上限40万円)を10年間所得税から控除することができます。
住宅ローンを組んで家を買った人を支援する制度ですね。
それでは、繰り上げ返済との関係を考えてみましょう。
繰り上げ返済はローンの元本を減らすことができるものでした。
住宅ローン残高を減らすことは利息を減らすことになりますが、同時に住宅ローン控除額も減らすことになります。
少し計算してみましょう。
仮に金利0.6%、ローン残高3,000万円、年間返済額100万円(元本分)とします。
(※あくまで住宅ローン控除による税額控除を全額受けられるほど収入がある場合)
10年間の住宅ローン控除額は約262万円となります。
仮に毎年100万円ずつ繰り上げ返済した場合、10年間の住宅ローン控除額は約205万円と少なくなります。
繰り上げ返済による利息分の差額は10年間で約33.5万円となり、控除額と合わせると約239万円になります。
つまり繰り上げ返済することで、所得が約23万円減ることになってしまいます。
次に金利1.2%で計算します。
10年間の住宅ローン控除額は約270万円となります。
毎年100万円ずつ繰り上げ返済すると、住宅ローン控除額は約212万円へと減ります。
繰り上げ返済による利息分の差額は10年間で約68.2万円となり、控除額と合わせると約280万円になります。
繰り上げ返済により約10万円の所得が増加しました。
このように、ローン金利により繰り上げ返済の効果が変わってきます。
住宅ローンを受けている期間に繰り上げ返済するときには、金利が1%以上のときに恩恵を受けやすいと言えるかもしれません。
繰り上げ返済費用を運用する
繰り上げ返済する費用で資産運用してみるとどうなるでしょうか。
毎年100万円を運用し年利3%と仮定します。
10年間で資産総額は約1,146万円となり、約114万円増加します。
住宅ローン控除額の約270万円と合わせると約380万円資産が増加することになります。
このように、住宅ローンを返済するために貯めた資産を繰り上げ返済に充てるのか、それとも運用するのかを目的によって選択できると良いかもしれませんね。
住宅ローンの借り換えをする
住宅ローンの返済額を抑える方法に住宅ローンの借り換えがあります。
借り換えとは、現在の借入よりも金利の低い銀行または商品へと変更することを言います。
ローンは複利計算でしたので、少しでも金利が安い方が返済額を抑えることになります。
ただし、一般的に借り換えには手数料がかかりますので手数料も考慮しないと結果的に多く支払いをしてしまうこともありますのでご注意ください。
今回は、住宅ローンの繰り上げ返済についてお伝えしました。
住宅ローンは固定費の中でも大きな割合を占めますので、ローン返済額を減らすことは固定費を減らすことに繋がります。
毎月の支出が減ることは、その分お金のために仕事する時間を削減することにも繋がりますので是非検討してみてください^_^
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