知っておきたい公的年金制度(遺族給付、障害給付)
L:time代表の足野です。
公的年金制度について知っておくことは、過不足なく保険に加入するために必要な知識です。
※保険を見直すときに確認すること↓
※知っておきたい公的年金制度(老齢給付)↓
今回は、公的年金の中で遺族給付と障害給付についてお伝えします。
【遺族給付】
遺族基礎年金
受給要件は、
①国民年金の被保険者が死亡したとき
②国民年金の被保険者であった人で、国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人が死亡したとき
③老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき。
ただし、保険料の納付付済期間、免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上ある人
④老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人が死亡したとき。ただし、保険料の納付付済期間、免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上ある人
さらに、①、②の場合には、
死亡した月の前々月までに被保険者期間がある場合は、
「その期間の保険料納付済期間+保険料免除期間」が全被保険者期間の2/3以上あること
とされています。
例えば、被保険者期間が12年の場合、
保険料納付済期間と保険料免除期間の合算が8年以上あれば要件を満たすことになります。
受給できる遺族の範囲は、
死亡した人に生計を維持されていた
18歳になって最初の3月31日までの子
または
18歳になって最初の3月31日までの子のある配偶者(年収850万円未満)
とされています。
年間受給額は、
780,900円+子の加算額
で、子の加算額は、
第1子、第2子は各224,700円
第3子以降は各74,900円
です。
さらに、国民年金の第1号被保険者(自営業者、学生)で条件を満たす場合には、寡婦年金、死亡一時金のいずれかを受給することができます。
遺族厚生年金
第2号被保険者(会社員、公務員)が死亡した場合に一定の要件を満たす場合に遺族基礎年金に上乗せして受給することができます。
受給要件は、
【短期要件】
①厚生年金保険の被保険者が死亡したとき
②厚生年金保険の被保険者期間中の傷病がもとで、初診の日から5年以内な死亡したとき
③1級、2級の障害厚生年金の受給者が死亡したとき
【長期要件】
④老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たした人が死亡したとき。ただし、いずれも保険料の納付済期間、免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上ある人
とされています。
受給できる遺族の範囲は、
死亡した人に生計を維持されていた
①妻・夫・子(18歳到達年度末まで)
②父母
③孫
④祖父母
の順になります。
ただし、夫、父母、祖父母の場合は、55歳以上であることが要件。
また年金を受け取れるのは60歳からとなります(夫は遺族基礎年金の受給中に限って、遺族厚生年金も受給可能)。
です。
年金額は、
老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4相当額
です。
報酬比例部分は、
①平均標準報酬月額×7.125/1,000×2003年3月以前の被保険者期間の月数
②平均標準報酬月額×5.481/1,000×2003年4月以降の被保険者期間の月数
※厚生年金期間における賞与を含む平均月収額
①+②の合計額になります。
被保険者期間が25年(300月)未満の場合は、被保険者期間を300月として計算します。
被保険者期間が25年(300月)以上の場合は、実加入月で計算します。
例えば、
平均標準報酬月額が30万円で厚生年金の被保険者期間が10年の方が死亡した場合、
30万円×5.481/1,000×300月≒49万円
となります。
さらに、死亡した方が18歳未満の子が2人いる夫であった場合には遺族基礎年金として、
780,900円+224,700円×2人≒123万円
を加算して年間約172万円受給することになります。
その他に、中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算という加算給付もあります。
保険の必要保障額は、
支出総額ー総収入=必要保障額
で計算できました。
総収入には、公的年金の収入も考慮します。
夫婦の場合、遺族の方の老齢給付受給までの期間の収入と遺族給付、65歳以降の遺族の方の老齢給付などの収入額を計算する必要があります。
【障害給付】
病気やケガが原因で障害者となった場合で、一定の要件を満たしたときに受給することが可能です。
障害基礎年金
受給要件は、
①初診日に国民年金の被保険者であること
②障害認定日※に障害等級1級、2級に該当すること
※初診日から1年6ヶ月以内で傷病が治った日または、傷病が治らない場合は、初診日から1年6ヶ月を経過した日。
です。
保険料納付要件は、
保険料納付済期間+保険料免除期間が全被保険者期間の2/3以上あること
とされています。
年金額は、
1級:780,900×1.25+子の加算額※
2級:780,900+子の加算額※
※子の加算額
第1子、第2子は各224,700円
第3子以降は各74,900円
です。
2級の場合は、遺族基礎年金と同額ですね。
1級になると障害基礎年金額が1.25倍に増えます。
障害厚生年金
障害厚生年金は1級、2級、3級と障害手当金があります、
受給要件は、
①初診日に厚生年金保険の被保険者であること
②障害認定日に障害等級1級、2級、3級に該当すること
とされています。
保険料納付要件は、障害基礎年金の場合と同じです。
年金額は、
1級:A※×1.25+224,700円(配偶者加給年金額)
2級:A+224,700円
3級:A
障害手当金:A×2倍(一時金で支給)
※Aは老齢厚生年金の報酬比例部分と同じ
※被保険者期間が25年(300月)未満の場合は300月で計算する。
とされています。
標準報酬月額が30万円で、被保険者期間が10年の夫(18歳未満の子が2人)が障害等級1級に認定された場合、
障害厚生年金額は、
49万円×1.25+224,700≒83万円
障害基礎年金額は、
780,900×1.25+224,700×2人
≒142万円
となり、合計約231万円受給することができます。
遺族給付と障害給付は受給するさいに非課税で受給することができます。
公的年金についてお伝えしました。
保険の見直しや老後の資金計画を立てる際には参考にしてみてください!
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