資産運用のリスクとリターン
L:time代表の足野です。
時間を最大化するには支出を資産で賄える必要があります。
(資産を増やすためにできることはこちら)
(FIREと貯蓄率の関係はこちら)
そのためには、まずは支出を減らすこと、次に可処分所得を増やすことが必要です。
(支出を減らすためにできることはこちら)
(可処分所得を増やすためにはこちら)
その上で、資産運用して効率的に資産を増やすことを考えていきます。
金融庁の平成27事務年度金融レポートでは、
我が国は、過去 35 年にわたって経常黒字を継続してきた資産大国であるが、蓄積された資産の多くは、現預金や国債等の元本確保型商品を中心に運用されてきた。
長期にわたりデフレが継続する下においては、家計や機関投資家のこうしたリスクテイクに慎重な行動にも一定の合理性があったと考えられる。他方、デフレからの脱却と経済の持続的成長を目指す現在の経済環境下においては、高齢化の進展も視野に入れつつ、我が国家計の安定的な資産形成を促進することが課題となっている。現預金や国債等の元本確保型商品中心の資産運用から、バランスのとれたポートフォリオへと転換を促していくことを通じ、国民の安定的な資産形成を実現するため、金融庁はこれまで、家計と金融機関の双方に対して、一 連の働きかけを行ってきた。
同時に、こうしたポートフォリオの転換も踏まえ、中長期で株式を保有しようとする投資家が、 その投資を中長期的に成功させるためには、投資先企業が継続的に価値を向上させることが 重要である。コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの策定により、我が国・企業のガバナンスは変化しつつあるものの、今後はこれを形式から実質へと更に深化させてい くことが必要となる。
とあります。
貯蓄から資産形成への転換を推奨しています。
しかし、
図のように、現在日本では現貯金での資産が半分以上を占めており、実際に株式または投資信託で資産運用している方は約15%と少ないのが現状です。
資産運用をしていない理由について金融庁の平成27事務年度金融庁レポートによると、
2016 年初に金融庁で行ったアンケート調査では、投資未経験者のうち、約8割が「有価証券への投資は資産形成のために必要ない」と回答しており、その理由としては「そもそも投資に興味がない」が約6割、「投資はリスクがあり怖い」、「投資 の知識がない」がそれぞれ約3割となった。
また、「有価証券投資は資産形成のために必要だ」と認識しながらこれまで投資したことがない層は、その理由として「まとまった資金がない」 との回答が7割強を占めたほか、「投資の知識がない」、「投資はリスクがあり怖い」という回答もそれぞれ約5割、約4割となった。
とあり、
資産運用に興味がある方でしていない理由は、投資に対する知識不足とリスクに対する不安が原因であるとされています。
もちろん資産運用にはリスクがあります。
しかし、リスクとは何かを知りコントロールすることで過度な不安は少なくなります。
今回は資産運用する際に知っておきたい「リスクとリターン」についてお伝えします。
リターンってなに?
まずは「リターン」の言葉の意味から押さえていきましょう。
リターンとは、
「資産運用を行うことで得られる成果」のことであり、収益が得られることもあれば、損失が出ることもあります。
(日本証券業協会ホームページより引用)
とされています。
つまり、リターンとは収益、損失いずれの場合にも使われる言葉ということですね。
リスクってなに?
続いて、リスクとは何なのでしょうか。
辞書によると、
リスクとは、将来いずれかの時に起こる不確定な事象とその影響、という意味である。日本語においては、何か悪い事が起こる可能性、予想通りにいかない危険、危機が生じる度合いなど「危険」や「危機」をさすことが多いが、悪い事象そのものだけではなく可能性を含めた意味がある。つまり「不確定な要素を事前に測定できるもの」と定義される。(weblio辞書より引用)
と定義されています。
危機や危険とその可能性などの不確定な要素ということになります。どちらかと言えばマイナスな言葉として用いられます。
次に投資のリスクの定義を見てみましょう。
一般的にリスクとは「危険なこと」「避けるべきこと」という意味で使われていますが、 資産運用の世界では、リスクとは、「リターンの振れ幅のこと」を表しています。
つまり、「リスクが大きい」とは、「大きく収益が得られるかもしれないし、大きく損失が出るかもしれない」という意味です。(日本証券業協会ホームページより引用)
とされています。
投資の世界では、リターン(利益または損失)の振り幅がリスクでありプラスの意味も含まれているということになります。
まとめると、
「リターン」は利益または損失のことであり、「リスク」はリターンの振り幅の大きさということになります。
投資の世界では「ローリスクハイリターン」はありえないということですね。
一般的には「リスク」という言葉はマイナスなイメージがありますが、投資の世界では良い意味も持っているということは知っておきましょう。
金融商品のリスク
具体的に金融商品のリスクをご紹介します。
金融商品のリスクは主に3種類あります。
信用リスク
一つ目は信用リスクです。
信用リスクとは、
株式の場合であれば投資した会社が存続して成長することもあれば、破綻する場合もあるということを指します。
債券の場合には、利子や元本の払い戻しがなされる場合もあれば、会社の経営状態や国の財政破綻により債務不履行となる場合もあるということを指します。
つまり、会社または国の信用が上がる(維持される)または下がる・破綻する可能性の振り幅ということになります。
国の信用リスクは、「カントリーリスク」と呼ばれています。
カントリーリスクについては、外国株式、外国債券、外国投資信託などに投資する際には確認が必要です。
価格変動リスク
2つ目は価格変動リスクです。
金融商品(株式、債券、投資信託など)は価格が変動しますので、換金する際の受取金額が購入時よりも上回ることもあれば下回ることもあります。
受取金額の振り幅のことを価格変動リスクと言います。
価格変動リスクが大きいということは、上手くいけば大きく利益が出ますが失敗すると大きく損失してしまうということです。
為替変動リスク
3つ目は為替変動リスクです。
外国株式、外国債券、外国投資信託などの金融商品は外国為替レート(円と他の国の通貨との交換割合)の変動により換金時に購入時よりも受取金額が上回るまたは下回ることを言います。
円高では為替差損を被り、円安では為替差益を得ることができます。
外貨建ての金融商品を購入する際には為替変動リスクにも注意しましょう。
ちなみに、外貨建て保険は為替変動リスクにより為替差損を被る可能性がある上に、手数料も割高な場合が多いようです。
運用利回りも他の金融商品と比較して良い訳ではありませんので、個人的には資産運用を目的とした外貨建て保険はお勧めしません。
(保険が目的なら外貨建てにする必要はないと考えます。)
リスクコントロールするには?
どの程度のリスクをとるかは、目標や性格(リスク許容度※)によって決定します。
※リスク許容度に関する一般社団法人全国銀行協会のリンクはこちら
そして、リスクの程度が決まればそれに相当する金融商品へ投資します。
預貯金
最も低リスクな投資先は預貯金です。
(預貯金を投資と思って銀行に預けている方は少ないかもしれませんね。)
預貯金は元本割れがありませんし、銀行が倒産した場合にも元本1,000万円とその利息分までは保証されています。
しかし、インフレリスク(物価上昇に伴い相対的に貨幣価値が下がるリスク)には弱いとされています。
現在、超低金利です。
仮に預金金利0.001%、元本1,000万円の場合、1年間で100円の利息がつくことになります。
ローリスクローリターンですね。
債券
次に、債券です。
保有している期間は利息を受け取れます。
さらに、満期まで保有すると元本または額面金額を受け取ることができます。
債券は、ローリスク(リターン)からミドルリスク(リターン)といったところでしょうか。
投資信託
続いて投資信託です。
投資信託のリスクとリターンは商品により幅がありますので、その中でリスクコントロールする必要があります。
株式
最もリスクが大きいのは株式です。
大きなリターンを得たいときには株式投資が良いでしょう。
まさにハイリスクハイリターンですね。
リスクとリターンには、以上のような関係があります。
資産運用する際には、資産形成の目的や目標、資産状況、リスク許容度に合わせてどの程度のリスクを取るのか、どの商品に投資するのかを決めるようにしましょう。
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