福利厚生について考えてみました!
今回はファイナンシャルプランナーの立場から「福利厚生」を考えてみる。
最近、改めて組織とは何か、仕事するとは何かと考えることがある。
福利厚生についても同様であり、雇用されている時にはあまり深く考えたこともなかったが、組織から離れてからその重要性を感じるようになった。
それでは、そもそも福利厚生とは何なのか。
改めて福利厚生と調べてみると、「福利(幸福と利益)」と「厚生(くらしを健康で豊かにすること)」を組み合わせた言葉であることがわかる。厚生と付くものには、厚生労働省や厚生年金などがあるが、厚生の意味を知るとそれらの目的も明確となる。
また、Wikipediaによると
福利厚生とは、企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬である 。また多くの場合、企業の福利厚生の対象は従業員のみならず、その配偶者や家族、あるいはかつて従業員だった者にまで及ぶことがある
とされている。
福利厚生とは、従業員とその家族が幸せで豊かで健康的に暮らせることを目的とした企業内制度であるということがわかる。
福利厚生を考える前に仕事の目的についても触れておきたい。
仕事の目的には、お金を稼ぐ、安心感(居場所、退職金)、伝統(家業、義務、同調)、社会貢献、学習、権力(影響力、見栄、尊敬や称賛)、社交(同僚との繋がり、コミュニティ)、時間管理(生活リズム)などがある。
また、目的も一つではなく複数存在するだろう。パラレルワークをしている人であれば、仕事ごとに目的も異なるであろう。
ボランティアに参加している人であれば社会貢献や社交などの目的が強くなるが、生活に不安を抱えている状況ではお金を稼ぐという目的が強くなる。
お金を稼ぐという目的が強くなりすぎた場合、毎月当たり前のように固定給が入ってくる状況下にあると次第に仕事への活力ややりがいは薄れてしまう。
仮に、そのような方がファイナンシャルプランナーに相談したとすると、現在の生活や将来の不安が軽減することで仕事=お金を稼ぐという目的は弱くなり、相対的に仕事への活力ややりがいが高まることがある。
しかし、一方で将来の見通しが立つことで離職や転職する人もある。それは、その人にとって今の仕事(職場)に居ることはお金を稼ぐ以外の目的はないと言うことである(これも一つの選択であり、善し悪しを言うつもりはない)。
同じ空間で仕事をしていても仕事の目的は人それぞれだということである。
それでは、福利厚生で従業員が幸せで豊かになると企業にはどのようなメリットがあるのだろうか。
従業員幸福度と生産性には関係があることが報告されている。
ここで言う従業員幸福度とは、前述した仕事の目的の中の「社交」「学習」「社会貢献」などが関与している。
つまり、これらの目的で仕事をしていると感じている人は仕事に対する幸福度が高く、さらには生産性も高いということになる。
言われてみれば当たり前のことかもしれない。
人間関係がギスギスした職場よりも明るく風通しが良く、お互いに尊敬しあい、学びあえる方が生産的である。
「ここで仕事したい」と目的意識が高い人が集まる職場では、そこで仕事をする目的がはっきりとしているため自ら学び優秀な人材が育つようになる。すると、そこには同様の目的で人材が集まる。
目的意識を持った優秀な人材が多くいる職場では生産性が高く成果が出るのも容易に想像ができる。
成果は企業の利益となり、企業の存在意義となる。そして、それらは再び従業員へと還元されるという好循環が生まれることとなる。
福利厚生とは企業の存在価値を高めるために、従業員の幸福と豊かさを追求し「ここで仕事がしたい」と思える環境を整備することなのかもしれない。
幸福と豊かさのために経済面から助言できるのはファイナンシャルプランナーの強みである。
働く人の家計に関するモヤモヤや不安を解消し選択肢を増やすことで、仕事する幸せを感じ、邁進するプロフェッショナルを応援していきたい。
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